この携帯電話はあなたの物

「あっ、君。この携帯電話はあなたの物ではないですか?」

 えっ。ああ、俺の携帯だ。

「すいません。何度もお手数おかけしまして」

「いや、これが本官の仕事だから構わないが、君もいい大人なんだからちゃんとしないとね。気をつけて帰りなさいよ」

「はい。それでは失礼します」

 くそっ、何で俺が謝らないといけないんだ。自分の馬鹿さ加減に腹がたつ。あれっ、メールが二通着てる。誰からだ?

 弘明と、KANAKO? 誰だろう、かなこって。それよりも弘明のヤツ、どうして俺を見捨てたんだ? 一緒に来たのだから、最後まで面倒見てくれても良いだろうに。

『女とはうまくやったか?』

 どういう意味だ、この文章は。女とは誰の事だ? うまくやったか、と言う事は、女と寝たのか、と聞いているのか?

 馬鹿な、今の俺には女なんていないぞ。それとも昨夜、どこかで女と出会ったとでも言うのか。確か昨日は居酒屋に行って、それから二軒目は太ったママのところだ。それから弘明が馴染みにしている店に行って……そうか、その後だ。

 新しい店を探そうと、弘明と一緒にぶらついて、呼び込みをしていた女の店に行ったんだ。そうだ確か、加奈子って名乗っていたよな。

 えっ、俺は初対面の女に自分のメールアドレスを教えたのか? かわいいとは思ったが、俺がその程度で教えるか?

 あっ、でも俺は見栄を張ってウイスキーをロックで頼んだんだった。何杯飲んだんだ。……駄目だ、そこからの記憶が無い。くそっ、のどが渇いた。

 小銭ぐらいポケットにあるだろ。三百五十円か、何か飲めるな。こんな時はミネラルウォーターに限る。

『桜井一樹さんへ。楽しい夜を過ごす事が出来てありがとうございます。また私の店に来て下さいね。加奈子より』

 何でこの女、俺のフルネームを知っているんだ。俺が教えたのか? そんな馬鹿な、俺が初対面の人物に教える訳がない。いやだが、現実にこの女は知っている。

 くそっ、記憶がないから、何を言ったのか覚えてない。何を言ったのか確かめようにも店の場所さえ覚えてないし。あれっ、胸ポケットに何か入ってる。

 名刺? フルーツリュージュ? これだ、この店に行ったんだ俺は。加奈子と名前が書いてあるし。ふーん、ここからすぐ近くじゃないか。……当たり前か、馬鹿だな俺って。

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最後のご挨拶

 私のような拙い人物が書いた小説を最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。小説を書き出したのはパソコンを買って「自分には何ができるだろうか?」と考えた時からで、既に10年以上前の話となっています。いま思い起こすとよくもまぁ、こんな文章力で威張っていたものだ、と少々恥ずかしくなりますが、自分自身で読み返すと、結構面白い話に仕上がっていると思います。それではどちら様も今後共々宜しくお願いします。

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